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EUのグリーンディールと日本

2/26追記
【中止】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国内での感染拡大を受け、本イベントは皆様の健康と安全のため開催を中止します。ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

本公開講演会は、立教大学経済研究所プロジェクト研究「EVシフトと日EU経済関係—生産・インフラ・ネットワーク」、及び立教SFR共同プロジェクト研究「欧州におけるEVシフトと生産・インフラ・ネットワークの再構築と日系企業への影響」の活動の一環として行われる。

2019年末、EUは2050年までにゼロエミッションを実現することを目指すと宣言し、新たに発足した欧州委員会は、これまで十分な成果を上げることのできなかったリスボン戦略、及びその後継の欧州2020戦略に代わる新たな産業政策としてEuropean Green Dealを進めようとしている。この動きは、フォン=デア=ライエン新欧州委員長の強い意向というニュアンスで報じられることが多い。
しかし、EUのグリーンディールはにわかに始まったことではない。1993年のマーストリヒト条約には、環境や持続可能性(sustainability)が書き込まれ、1997年のアムステルダム条約では環境統合原則が導入され、2009年に発効した現行のリスボン条約においても、気候変動対策に貢献しうる措置が推奨されている。こうした長年にわたる政策の積み重ねのうえに打ち出されたのが、今回のグリーンディールである。
これまで「産業の中の産業」と称されてきた自動車産業は、この政策の影響を最も被る産業であり、だからこそエネルギー転換にともなう移行措置が強調されている。

加えて、2019年には、EUと日本のあいだで、経済連携協定(EPA)および戦略的パートナーシップ(SPA)が締結された(後者は暫定)。EPAにより日本からEUへの自動車等の輸出は完全がゼロになるが、同時にSPAでは気候変動対策が最重要な協力項目と掲げられている。EUのグリーンディール政策は、日本の産業政策、環境・エネルギー政策にも大きな影響を与えていくことが予想される。
そこで、本公開講演会では、欧州のグリーンディール、日EU経済関係、そして日本の再生可能エネルギーの現状とEUとの比較に焦点を定め、3人の専門家による公開講演会を開催する。

講演者
明田 ゆかり 氏(獨協大学経済学部非常勤講師、元外務省経済局国際経済課長補佐)
  • 2019年に発効した日EU・EPA交渉に、3年間、携わった実務経験を有する研究者。主な研究業績として、『規範政治とEU市民社会』(ナカニシヤ出版、2015年、共著)、『EUの国際政治-域内政治秩序と対外関係の動態』(慶應義塾大学出版会、2007年、共著)
飯田 哲也 氏(認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長)
  • 中央環境審議会、総合資源エネルギー調査会などの委員を歴任。21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク(REN21)理事、世界バイオエネルギー協会理事、世界風力エネルギー協会理事なども務める。一般社団法人全国ご当地エネルギー協会事務総長として、地域からのエネルギーシフトを進める活動を展開している。主な研究業績として、『「エネルギー計画2050」構想:脱原子力・脱酸素社会にむけて』(法政大学出版会、2019年、共著)、『エネルギー進化論-「第4の革命」が日本を変える』(ちくま新書、2011年、単著)、『エネルギー政策のイノベーション』(学芸出版社、2011年、単著)、『北欧のエネルギーデモクラシー』(新評論、2000年、単著)、他多数。
蓮見 雄(立教大学経済学部教授)

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